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松沢大樹

国見ケ丘未来クリニック
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研究概説
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PETによるがんの画像診断
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松澤ルーム
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資料
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松澤大樹 松

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
   

 

【PET】

 ペット。Positron Emission Tomographyの略。日本語は陽電子放射断層撮影装置。
 PETによる画像診断は、ガンの早期発見と治療への貢献はもとより、鬱(うつ)や統合失調症、アルツハイマーなど、“脳とこころ”の研究・治療にも力を発揮している。
 このPETを利用したガンの早期発見のための画像化技術「ポジトロンがん診断法」は松澤大樹によって開発された。

 

【PET検査の安全性】

 PET検査は胃のバリウム検査よりも低い被爆量。尿の排出などで翌日にはほとんど体外に排出される。しかも副作用の心配もない。
 PET検査は、従来までの苦痛や不快感を伴う検査と全く違い、着衣のままベッドに寝ているだけの苦痛のない検査である。カメラは、真ん中に丸い穴のあいた装置で、大きな音もせず、狭くもない。30分程度の撮影時間の間、ベッドで安静にしているだけで検査は終了する。
 また、PET検査での被爆量はX線検査よりも低い被爆量。18F−FDGもブドウ糖に似た物質で、人体への悪影響はない。また、この物質の半減期は110分であり、約2時間後には半分に減少し、尿からの排泄もあって、翌日には放射性物質がほとんど体内に残らない。

 

【PET-CT】

 現在の最新のコンピューター断層撮影装置(CT)と陽電子断層撮影装置(PET)を組み合わせたもので、国内で最初に南東北PET・ガンマナイフ高度診断治療部門に導入された。
 CTによる病変部の位置についての「形態画像」とPETによる身体の代謝および細胞機能の変化についての「機能画像」を一度の検査にて撮影可能で、正確な重ね合わせ“Fusion”画像により、医師ががんを従来に比べて迅速かつ正確に診断・位置特定することができる。

●がんとの関係性
 PET-CTは一度の検査で、医師が以下のような意思決定を行うのに有効な情報を提供します。

1. がんの有無、また病変部の悪性度
2. がんの位置特定、またその転移範囲
3. がんの大きさ
4. 最適な治療法
5. 治療法の効果判定
6. がん再発の有無

●患者のメリット
PET-CTを使用することで、患者には以下のようなメリットがある。

1.
がんの疑いがある患者やがん患者に対する信頼性の高い診断
2.
生体検査や手術といった侵襲的な処置の実施回数の低減
3.
検査時間の短縮。従来ではPETとCTで別々に画像を撮影していたため予約状況によっては検査結果が判明するまでに数日以上かかることもありましたが、PET-CTで検査することで検査回数を1回に短縮可能
4.
検査回数の低減と検査時間の短縮化により、肉体的・精神的負担が軽減


●臨床におけるニーズ
 PET-CTで撮影した複合イメージは、医療専門家により多くの情報を提供する。これにより、放射線科医、核医学専門医、放射線治療医、腫瘍外科医および他の診断医などの下記のようなニーズに応えることが可能。

1.
正確な病変部の位置特定、悪性度の診断、瘢痕組織との識別
2.
信頼性の高い診断および疑陽性・偽陰性の減少につながる優れた感度および特異性
3.
医師ががんの病期を決定するのに有効な情報の提供
4.
外科・放射線科治療計画に貢献する情報の提供
5.
治療効果をモニターし、随時最適な治療計画を可能とする情報の提供

 

 

【ポジトロンがん診断法】

 陽電子(ポジトロン)を放出する放射性核種(ポジトロン核種)で標識した薬剤を静脈から注射して、細胞の活動状態を画像化する診断技術。
 がんのPET検査には、ブドウ糖の一部にポジトロン核種であるフッ素(18F)を付けた[F-18]-2-fluoro-2-deoxy-D-glucose(FDG)という薬を使う。
 ポジトロン(陽電子)とは、正(プラス)の電荷をもった電子のこと。
 通常、「電子」は負(マイナス)の電荷をもっているが、それとは反対に、ポジトロンは正の電荷を持つ。正の電荷を持つポジトロンと負の電荷を持つ普通の電子は、互いに引き寄せ合う性質があるため、ポジトロンはすぐに電子と結合するが結合の瞬間に、ポジトロンも電子も消滅してしまう。この時、2本の放射線が正反対の方向へ放出される。この放射線を「PET装置」で撮影することによって、身体の中のポジトロンの様子を画像にする。

 

【「飢えた魚と擬似餌」の比喩(メタファー)】

 松澤は日本の国民病であるガンの征圧にPETを利用することを初めから第一の目標としていた。それにはガン細胞に集まり正常細胞には集まらないサイクロトロンで作られるトレーサーを見出すことから始めなければならない。PETは生体の局所の代謝を定量的にとらえる機能を持っている。東北大学教授時代、考えながら歩いていた広瀬川で、毛針で小魚を釣っている少年たちに出会った。これを見て「疑似餌でガンを釣ろう」と思い立った。このアイデアを始めて発表したのは1976年(昭和51年)10月15日信州の白骨温泉で行なわれた文部省がん特別研究の班会議の席上である。
 その基本的原理を述べると“がん”と正常組織との間に代謝の違いは見出されない。しかし、“がん”はさかんに増殖しているため、その基質のブドウ糖、アミノ酸、核酸などに飢えていると考えることができる。
 飢えている魚は擬似餌で釣れる。擬似餌、疑似アミノ酸、疑似核酸を合成し、ポジトロン標識を行い、正常組織から“がん”を浮かび上がらせるという考え方である。この研究方針のもとに18F標識疑似コンニヤク糖(18F-FDM)、18F標識疑似ブドウ糖(18F-FDG)、11C-メチオニン(11C-Met)、18F-標識デオキシウリジン(18F-FDUR)等の有効なポジトロン“がん”診断薬が開発された。

 

【PET検査とガン診断】

 ガン細胞は正常の細胞よりも分裂が盛んに行われるため、グルコース(糖分)がたくさん必要とさる。そのため18F−FDGというくすりを静脈から注射すると、ガンの病巣にたくさん集まる。その様子を、PET装置で身体の外から撮影すると、ガンがどこにあるのか(存在の有無)、その大きさはどのくらいか(病巣の大きさ)がわかる。
 PET検査で正確な診断ができると治療法や治療範囲を決めるのに大変役立つことになる。特に予想外の病巣を見つけることで、治療範囲を正しく決めることができる。
 18F−FDGのPET検査は、ほとんどのガンの診療に有用。肺癌や大腸癌、食道癌、膵癌などの消化器系の癌、子宮癌、卵巣癌などの婦人科系のガンや甲状腺癌、乳癌、悪性リンパ腫や骨腫瘍、悪性黒色腫などの診断にも役立つ。
 また、この検査はがんの転移をみつけるのに大変役に立つ。がんは、転移のあるなしによって、治療法が変わるので、この検査は有用である。前立腺癌では、原発巣が膀胱と重なり、よく分からないことがあるが、膀胱と離れた骨に転移すると、膀胱と重ならないのでPET検査でよくわかる。
 しかし、18F−FDGを用いるPET検査も、すべてのガンで役立つわけではない。このくすりは腎臓を経て尿に排泄される。したがって、腎臓とか膀胱にガンがあっても、よく分からない。前立腺癌でも膀胱との区別が難しい。
 また、肝臓癌、胃癌、前立腺癌は超音波検査や内視鏡検査などの方が、PET検査より有用なことも多い。このように、PET検査が適しているものと適していないものがあり、検査はいくつかの機器を組み合わせて行うことが重要。

 

【PET検査と脳診断】

 脳は血流により運ばれたブドウ糖や酸素を大量に消費している。PET検査で脳におけるブドウ糖や酸素の代謝をみることによって、脳の局所の血流や神経細胞の活動性の低下がわかり、脳血管障害、てんかんの病巣、アルツハイマー型認知症、脳腫瘍の診断などに役立つことになる。

 

【扁桃のキズと精神疾患】

 松澤は、最近MRIとPETのコンビネーションにより「こころの脳」を発見し、こころの脳特に扁桃体にキズが生ずることにより、うつ病、統合失調症、アルツハイマー病などが発症し、キズが治るとこれらの疾患は治ることを明らかにした。